診療案内

脳神経外科


脳神経外科外来のご紹介

脳神経外科とは脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断、治療を行う医療の一分野です。脳神経外科的治療の対象になるか否かは、それぞれの時代により異なります。したがって、対象疾患として扱う病気は必ずしも固定されたものではありません。従来外科的治療がなされてきた疾患が医学の進歩のなかで手術を行わずに治療できるようになったものもありますが、かつて治療の対象にならなかった疾患や病態が手術によって治療できるようになったものもあり、総体としてみれば治療対象は確実に増えているといえます。(日本脳神経外科学会)

一般的には手術治療だけでなくCTやMRIなどの画像診断脳卒中後の薬物治療神経系の病気や外傷とそれに合併する全身の問題に対する診療もおこなっております。当クリニックでは手術はおこなっておりませんが、次のような症状がある方々を対象に診療しております。

◎当院で診療している症状

  1. 頭が痛い、頭が重い。
  2. めまい・ふらつきがある。
  3. 手足がしびれる、力が入りにくい。
  4. もの忘れがある。認知症が心配。
  5. まぶた・顔面がぴくぴくする。
  6. 顔面がゆがんでいる(顔が曲がる)、顔面が痛い。
  7. 脳卒中の後遺症がある。
  8. 一時的に意識を失った。
  9. けいれん発作、てんかん。
  10. 脳動脈瘤の経過観察。
  11. 脳腫瘍の手術後。
  • 他院で検査を受け、検査結果を入れたCD、DVD、フィルムなどのデータをお持ちの方はぜひご持参ください。
  • 当院ではセカンドオピニオンも承っております。他の医療機関での検査結果や脳ドックの検査結果などに心配や疑問をお持ちの方は、検査データおよび画像データをお持ちください。現況について詳しくご説明いたします。

 

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頭痛について

◎頭痛の分類

頭痛は、大きく 二つに分けられます。頭痛が持病の「頭痛もちの頭痛」を「一次性頭痛」といいます。脳や体に病気があって起こる頭痛を「二次性頭痛」といいます。

一次性頭痛、すなわち「頭痛もち」の頭痛は、脳や体に病気がないのに、繰り返し起こります。 そこで、慢性頭痛とも、習慣性頭痛ともいわれます。この頭痛は、どんなにひどくても命に差し支えることはありません。ですから「善玉頭痛」ともいえます。一次性頭痛には三つのタイプがあります。片頭痛と緊張型頭痛、それに群発頭痛が「善玉頭痛三兄弟」です。

二次性頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍(のうしゅよう)など「命の危険がある」病気が潜んでいることがあります。したがって「悪玉頭痛」ともいえます。「悪玉頭痛」はマヒや認知症を伴うなどふだんの頭痛と様子が違います。「突然の頭痛」はくも膜下出血の可能性があります。

 

◎片頭痛

片頭痛の特徴をひとことでいうと、月に数回、発作的に起こる、とてもつらい頭痛です。ズキンズキンすることも、しないことも、あります。しばしば吐き気を伴います。人によっては光が見えてから頭痛がおこります。

(片頭痛のプロフィール)

成人の1割弱(8%)が片頭痛もちです。女性に多い頭痛です(男性の4倍)。女性の場合、片頭痛は生理や排卵と関連して現れることが多いようです。そのかわり妊娠中は片頭痛が起こり難くなります。思春期ごろから多くなり、60歳頃にはめっきりと減ります。片頭痛の最盛期は30歳代です。片頭痛の1/4は子供のときからすでに始まっています。ほとんどが30歳までに発病しています。頻度は:月に1~2回、少なくて年数回、多いときで週に1回程度、繰り返し起こります。起こり方は生活の中で「発作的」に現れ、1~2時間かけて痛みが増してゆきます。片頭痛は片側のこめかみから眼のあたりに起こり、4~72時間持続します。片頭痛中はこめかみを抑えるポーズとなります。ひどくなると 頭全体が痛みます。片頭痛という病名にもかかわらず 4割のかたは頭の両側が痛みます。痛み方は、脈打つように「ズキンズキン」あるいは「ガンガン」、「ドクンドクン」と痛みます。 「頭の中に心臓があるようだ」といわれる方もあります。痛みがひどくなると拍動感がなくなり、持続的な痛みとなります。約半数の方は拍動感を感じない、といわれます。

頭痛の程度は、日常生活の能率が落ちるほどの強さです。仕事や家事が手につかず、できれば横になりたいと感じ、ひどいと寝込んでしまいます。「階段の昇降など日常的な動作により頭痛が増悪する」というのも片頭痛の重要な特徴です。マッサージや入浴、運動は片頭痛を悪くさせます。緊張型頭痛では、むしろマッサージや入浴、体操で楽になります。この点が片頭痛と緊張型頭痛の大きな違いになります。頭痛はしばしば吐き気や嘔吐を伴います。片頭痛の最中は光や音に過敏となります。光がまぶしくて仕方がなくなります。まわりの音や声が、がんがんと頭に響きますし、臭いにも敏感になります。光や音の過敏のために、発作中は暗い静かな環境を好みます。光が見える前触れを「前兆」といいます。片頭痛を起こしやすい体質は、遺伝します。 父親よりも母親の方の影響が強いのが特徴です。母親が片頭痛だと、子どもの半数に片頭痛があらわれます。

(二つ以上あてはまったら、片頭痛かもしれません)

  • 脈にあわせて「ズッキン、ズッキン」と痛む。
  • 痛みは頭の片側のときが多い。
  • 強い痛みが数時間から3日程度続く。
  • 仕事や日常生活に支障をきたす。
  • 体を動かしたり、力んだりすると、痛みがひどくなる。
  • 吐き気がしたり、吐いてしまうことがある。
  • 音や光に敏感になり、騒音のひどい場所やまぶしい場所に出ると、痛みがひどくなる。
  • 頭痛の直前に視野の周辺にチカチカしたまぶしいギザギザの線が現れる。
  • 週末やストレスから解放されたとき、月経前後に痛むことが多い。

(片頭痛の治療)

生活がおびやかされる「ひどい片頭痛持ち」の方は、正しい頭痛診断を受けてください。片頭痛と診断されれば、特効薬トリプタンが有効です。トリプタンは、最盛期の片頭痛でも抑えこむパワーを持っています。片頭痛にこれだけ効く薬はありません。トリプタンは発売順にイミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージなどがあります。トリプタンは錠剤の他に、口腔内で溶ける製剤(ゾーミッグとマクサルト)、点鼻液・注射(イミグランのみ)もあります。吐き気がひどい場合は、トリプタンの注射や点鼻液が威力を発揮します。口腔錠も使えます。あまりにも片頭痛が頻回な場合、しつこく起こる場合は、頭痛を起こりにくくする片頭痛予防薬、たとえば塩酸ロメリジン(ミグシスかテラナス)があります。片頭痛が軽い場合(生活に影響ない)、吐き気がない場合は市販薬でも対処可能です。片頭痛は鎮痛薬を早めにのむのがコツです。頭痛が本格化してからでは鎮痛薬は効きません。それどころか胃を悪くします。市販の鎮痛薬は、いろいろな成分が混ざったものと単味のものがありますが、まず単味製剤(アセトアミノフェンなど)を試みてください。頭痛がつらいからと毎日のように鎮痛薬を飲むと、かえって頭痛がこじれてしまいます。月10回までの範囲であれば迷わずすばやく鎮痛薬を飲む、それで収まりがつかなければ受診する、これが頭痛治療の鉄則です。片頭痛は、緊張から開放されてホッとしたときや、生理や空腹時に起こりやすい頭痛です。特定の食べ物と関係する片頭痛もあります。片頭痛と関連する原因(生活習慣など)があればそれを改善しましょう。

◎緊張型頭痛

片頭痛とならぶ日常頭痛の双璧です。緊張型頭痛は、かつて「筋収縮性頭痛」と呼ばれていました。片頭痛がズキンズキンと脈動感があるのに対して重苦しく、締め付けられる感じがする頭痛です。よくいわれる「頭重」は緊張型頭痛のことを指しています。

(緊張型頭痛のプロフィール)

頭痛の原因の7~8割を占めます。中高年に多い頭痛で、女性にも男性にもみられます。頭痛の頻度は月に数回程度から毎日とさまざまです。頭痛はいつとはなしに始まり、だらだらと持続します。

痛みの範囲は後頭部から首筋にかけてです。頭全体、はちまき様のこともあります。肩こりや顎関節症を伴うことが多い頭痛です。片頭痛とちがって、多くは、両側性に痛みます。圧迫感、緊迫感、頭重感が特徴です。具体的には、「鉢巻きをしているような」、「帽子をかぶされているような」、「頭に重石を載せられているような」痛みです。原則的には、心拍に同期した拍動性の痛みはありません。しかし軽いズキズキ感を伴うことはあります。頭痛の持続はさまざまで、30分から7日間続いたりします。片頭痛は「夕立」、緊張型頭痛は「梅雨空」のような頭痛といえます。

頭痛の程度は軽度~中等度で日常生活への影響は軽度です。仕事は続けられます。頭痛は、目の疲れ、体のだるさ、ふわふわしためまいを伴います。片頭痛の特徴である吐き気や嘔吐、音や光に対する過敏は原則としてありません。緊張型頭痛は、その起こり方から「反復性」と「慢性」に分けられています。慢性緊張型頭痛は毎日、途切れることなく頭痛が続きます。

(緊張型頭痛の誘引)

精神的なストレスと、身体的なストレスの両方で起こります。緊張型頭痛は、筋肉や精神の緊張を うまく解消できない人に起こりやすいとされています。

精神的なストレス」 不安、抑うつなどが長期間続くと、「精神的なストレス」がたまります。すると神経や筋肉の緊張が高まり、痛みに敏感となり、頭痛が起こります。

身体的なストレス」 姿勢の異常などによる筋肉へのストレスにより、頸や頭のまわりを取り巻く筋肉が収縮して凝り固まる結果、重圧感を生じます。この種の頭痛は、一日中パソコンに向かう人に多くみられます。悪い姿勢は緊張型頭痛の最大の原因のひとつです。首の骨に異常があったり、首の筋肉が弱くても緊張型頭痛の原因となります。枕が高すぎるのもよくないとされています。

その他、鎮痛薬の乱用も緊張型頭痛が慢性化する原因として重要です。また、顎関節症は緊張型頭痛と関係深いこともわかってきました。

(薬物療法)

本質的には、緊張型頭痛は「痛くて仕方がない、薬をのみたい」という状態にはなりません。もし頭痛がつらいレベルにまで達したとすれば、それは緊張型頭痛から片頭痛が誘発されたのかもしれません。この場合は、市販の鎮痛薬を服用します。バファリン、タイレノール、イブなどがよいでしょう。つらい頭痛、日常生活がおびやかされる頭痛がある場合は受診をお勧めします。

一般に鎮痛薬は緊張型頭痛に対してすっきりとは効きにくいものです。むしろ、生活習慣や環境を変えることのほうが大切です。慢性の頭痛に鎮痛剤を毎日のように服用するとかえって痛みに敏感となり、頭痛がとれなくなってしまいます。これを薬物乱用頭痛といいます。

病医院では、筋をほぐす筋肉の弛緩薬を処方します。

精神的なストレスから起こる慢性頭痛を楽にするには、抗うつ薬や抗不安薬が使われます。

◎群発頭痛

群発頭痛は、頭の片方が痛むところが片頭痛と似ていますが、「似て非なる」頭痛です。片頭痛は平均月2回の頭痛です。群発頭痛は、頭痛がある期間、毎日のように、片目のあたりに起こります。たまらない痛さですが、持続時間は1~2時間と短いのが特徴です。片頭痛が女性に多いのに対して、男性に多いのも特徴です。

(群発頭痛のプロフィール)

頭痛が、いったん起こり始めると1~2ヵ月間の間、連日のように群発するのが特徴です。ちょうど「群発地震」のような起こり方です。片頭痛は女性に多い頭痛ですが、群発頭痛は20~30歳代の男性に多いタイプの頭痛です。群発期は年に1~2回、あるいは2~3年に1回にあらわれます。その期間が過ぎれば、頭痛は起こりません。頭痛の頻度は1日1回です(隔日~1日8回の幅で起こります)。1回の頭痛は1時間程度で自然に治ります(15分~3時間の幅で起こります)。片方の眼、眼の上、こめかみのあたりの「えぐられるような」痛みで、頭をかかえてころげまわるほどの強さです。群発頭痛ではじっとしていられないのですが、片頭痛は身動きがとれません。 睡眠中に起こりやすい頭痛です。明け方に痛みで目をさますことが少なくありません。発作中、頭痛の側の眼が充血したり、涙が出たり、鼻が詰まったり、鼻汁が出たり、顔に汗をかいたり、まぶたがさがったり、脹れたりすることがあります。片頭痛と違って吐き気や嘔吐はあまりありません。片頭痛と同じように、「血管が拡張して痛む頭痛」と考えられています。

(薬物療法)

スマトリプタン(イミグラン)の注射が即効的です。群発頭痛に対するイミグラン注射は保険適応が得られております。イミグラン点鼻液を吸入する手もあります。ただし点鼻液の保険適用はありませんが、群発頭痛を片頭痛に読み替えて使っています。イミグラン以外では「酸素吸入」が特効的です。純酸素(毎分7リットル以上)を20分ほど吸入すると群発頭痛が楽になります。かなり大量の酸素を吸いますので、市販のリフレッシュ酸素では効きません。本格的には、病院に行って酸素を吸わせてもらいます。鎮痛薬は、「のまないよりはまし」といった程度の効果で、ほとんど効きません。

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